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猥褻の字義

語義としては「みだりがましきこと」といふ意なるが、其字義を詮索するに「猥」は「ホエル」と訓し[犬声」又「犬衆吠」とあり、犬の吠ゆる声といふを、何故「みだりがましきこと」と云ふやと考るに、高李迪の詩訳に「花を隔てたる犬に其影を吠えらる」といへるが如き類にて、犬が男女の野合を見て吠ゆることなるべし、其吠ゆるは怪しき姿態を畏るゝに因る、故に犬偏に畏の字を合せしなるべし、「褻」は 「ケガラハシ」と訓し「私服の義」なりとあり、此字は褒、裹裏等の字と同く衣に従ふ、故に此字を分解すれば、衣を執ると成る、衣を執れば陰部の顕はるゝものなり、陰部の顕はるゝこと、之を「ケガラハシ」と云ふならん乎

猥褻研究会雑誌