例言
本書の編纂を思立ちしは昨年の春頃なりき、
Section titled “本書の編纂を思立ちしは昨年の春頃なりき、”本書の編纂を思立ちしは昨年の春頃なりき、爾来見聞せる資料を蒐集し置き、本年の春頃、其資料と旧来の配録、又は廃書の抜記を各科学の部門に分ちて、いよいよ執筆せんとしたりしが、古川柳古俳句の研究にて頭脳を痛め常に心身快ならず、荏苒半歳を過ぎたり、試みに古句研究を中止せしに、其ためか噸に元気回復せしかば、十一月二十一日より着手して、十二月十四日に了れるものこれなり
引明書目、参考書目を一々挙げたらんには、
Section titled “引明書目、参考書目を一々挙げたらんには、”引明書目、参考書目を一々挙げたらんには、数千の多きに達すべし、読者の煩を避けて省けるもの、略記せるもの少からず、只出拠必要の項にのみ原書名を記入せり、予の断言せる説話論評につき疑義を有する人あらば、其疑義を証明するに躊躇せざるなり、又マジメなる研究学者にして其全班を知らんと欲する条項あらば、予は其希望を満たすの労を惜まざるなり
職業的著述、自己出版業者として最も恐るゝは、
Section titled “職業的著述、自己出版業者として最も恐るゝは、”職業的著述、自己出版業者として最も恐るゝは、理解なき行政処分に接する事なり、為めに執筆者として行文に苦心せし個所少しとせず、又引用せる原文中に欠字の個所多きも故意のワザなりと知りたまへ、欠字は読者の判読に任し、照会に謝絶す
本書の予約申込者は、従来の加盟員たる、
Section titled “本書の予約申込者は、従来の加盟員たる、”本書の予約申込者は、従来の加盟員たる、外骨の著書は其種類の如何を問はず、悉く購読せんとの予約者なるが、其六百名中、三分の一は学者博士として世に知られし名士なり、就中最も多きは医学博士なれども、法律学者亦少しとせず、本書が是等法律学者に繙読さるゝ事実は、啻に著者の光栄たるのみならず、やがて猥褻研究といふ学事が、学界の中心科目として承認さるゝ日の近づきしを喜ぶものなり(いろは順)
- 法学博士鳩山秀夫先生
- 法学博士堀江専一郎先生
- 法学博士種積陳重先生
- 法学博士穂積重遠先生
- 法学博士吉野作造先生
- 法学博士高柳松一郎先生
- 法学博士中田薫先生
- 法学博士山崎覚次郎先生
- 法学博士山田三良先生
- 法学博士牧野英一先生
- 法学博士福田徳三先生
- 法学博士森荘三郎先生
- 東京控訴院判事尾佐竹猛先生
- 横浜地方裁判所長立石謙輔先生
此外、法学士、判事、検事十数名あり、又弁護士としては著名なる今村力三郎先生を始め十数名あり