コンテンツにスキップ

漢文

支那最古の淫文と称ずる敦煌石室の遺書、唐の自行簡撰、「天地陰陽交歓大楽賦」を始め、明清時代の遊仙窟、覚後禅幽婚録、飛燕外伝、解顔新話、百戦百勝に至るまで数十種あり、我国にも亦大東閨語、春風帖等の類数種ありといへども、元是れ淫書たり、漢文学として扱ふべきものに非ずとするも、「笑府」に閨風篇あり、「西湖佳話」に急匆の幕ある如く、「江戸繁昌記」に誨淫歌坊の事あり、「東京新繁昌記」に拉第薩克の条あり、「春遊記」に鑷去の悪戯あり、「橋北花譜」に凉台の偸視あり、「和漢三才図会」に五不男五不女の項あるが如きは、本書の取材たらぎるを得ざるべし